最近、身内の葬儀を見ると「お坊さんを呼ばない葬式」を選ぶ人が本当に多くなっていると感じます。
私も40代になり、親の年齢を考えると他人事ではなくなってきました。
そこで今回は、この現実的な問題について、私なりに調べて分かったことをお話しします。
まず結論から言うと、お坊さんを呼ばない葬式が増えている理由は以下の通りです。
- お布施の高額さと不透明性への不満
- 宗教観の希薄化と多様化
- 寺院との関係性の希薄化
- 葬儀の多様化と選択肢の増加
- 故人の意思を尊重する風潮
これらの背景には、現代社会の価値観の変化や経済的な事情が深く関わっています。
この記事を読んでいただければ、なぜこのような変化が起きているのか、そして実際にはどのような葬儀が行われているのかが理解できると思います。
葬式にお坊さんを呼ばない人が増えている理由は何ですか?赤裸々な事情
正直に言うと、私の周りでも「お坊さんを呼ばない葬式」を選ぶ人が本当に増えています。
その背景には、私たちが普段なかなか口にしない赤裸々な事情があるんです。
主な理由は以下の通りです。
- 経済的な負担への意識の高まり
- 宗教観の多様化と希薄化
- 寺院との関係性の希薄化
- 葬儀の多様化と選択肢の増加
それぞれの理由について、具体的に見ていきましょう。
経済的な負担への意識の高まり
まず最も大きな理由として、経済的な負担があります。
お坊さんを呼ぶ場合のお布施について、実際の相場を表にまとめてみました。
項目 | 相場金額 | 備考 |
---|---|---|
読経料 | 10万円~30万円 | 地域や宗派により差がある |
戒名料 | 30万円~100万円以上 | 格により大きく変動 |
お車代 | 5千円~1万円 | 距離により変動 |
御膳料 | 5千円~1万円 | 食事を提供しない場合 |
合計 | 50万円~150万円 | 平均的な例 |
このような高額な費用に対して、多くの人が疑問を感じています。
特に問題なのは、お布施の金額が不透明だということです。
葬儀社への支払いは明確な料金表があるのに、お布施だけは「お気持ちで」と言われることが多い。
でも実際には、地域の相場や戒名の格によって、ある程度の金額が決まってしまっているのが現実です。
私の知人も「戒名料だけで50万円と言われて驚いた」と話していました。
このような状況で、多くの人が「お坊さんを呼ばなければ数十万円節約できる」と考えるのは自然なことでしょう。
宗教観の多様化と希薄化
次に、現代の日本における宗教観の変化も大きな要因です。
無宗教者の増加が顕著で、特定の宗教を信仰していない人が多数を占めています。
そのため、宗教的な儀式としての葬儀に意味を見出せない人が増えているんです。
また、日本の仏教が「葬式仏教」として機能している現状に、違和感を覚える人も多い。
本来の信仰よりも、儀式の代行という側面に焦点が当たっていると感じるため、お坊さんの必要性を感じないのです。
私自身も、普段の生活で仏教の教えに触れる機会はほとんどありません。
それなのに、葬儀の時だけお坊さんを呼ぶことに、どこか違和感を感じてしまうのも事実です。
寺院との関係性の希薄化
かつては地域の寺院が生活に密着し、檀家として寺院との関係が深かった時代がありました。
しかし、核家族化や都市化が進んだことで、菩提寺とのつながりが希薄な家庭が急増しています。
現代の寺院との関係について、実情を表にまとめてみました。
関係性 | 割合 | 特徴 |
---|---|---|
菩提寺との密接な関係 | 約20% | 定期的な法事、お墓の管理 |
形式的な檀家関係 | 約30% | 葬儀時のみの関係 |
特定の寺院なし | 約50% | お墓もない、または霊園利用 |
この表を見ると、半数の家庭が特定の寺院との関係を持っていないことが分かります。
また、一部の寺院における高額な寄付要求や、現代の価値観に合わない旧態依然とした慣習なども、寺院への不信感を招いています。
私の実家も、祖父の代から付き合いのあった寺院がありましたが、住職が代替わりしてから関係が疎遠になりました。
お墓の管理費用も年々上がっていて、正直なところ負担に感じています。
葬儀の多様化と選択肢の増加
最後に、葬儀の形式自体が多様化していることも大きな要因です。
従来の通夜・告別式・火葬という流れから、より簡素な形式が選ばれるようになりました。
現代の葬儀形式について、比較表を作成してみました。
葬儀形式 | 期間 | 費用相場 | お坊さんの必要性 |
---|---|---|---|
一般葬 | 2日間 | 150万円~300万円 | 必要 |
家族葬 | 1~2日間 | 80万円~150万円 | 任意 |
一日葬 | 1日間 | 50万円~100万円 | 任意 |
直葬 | 半日 | 20万円~50万円 | 不要 |
この多様化により、お坊さんを呼ばない選択肢が自然と増えています。
特に直葬や一日葬では、宗教儀式を必要としないため、お坊さんを呼ばない選択が当然のように受け入れられています。
葬儀業界も、この変化に対応してお坊さんを呼ばないプランを積極的に提供するようになりました。
お坊さんを「呼ばない」葬式の実際のかたち
では、実際にお坊さんを呼ばない葬式は、どのような形で行われているのでしょうか。
私が調べた限りでは、主に以下の3つの形式が一般的です。
- 直葬(火葬式)
- 無宗教葬(お別れ会・偲ぶ会)
- 一日葬
それぞれの特徴や実際の流れについて、詳しく見ていきましょう。
直葬(火葬式)
直葬は、最も簡素な形でお坊さんを呼ばない葬式の代表格です。
通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う形式になります。
直葬の流れを表にまとめてみました。
段階 | 内容 | 所要時間 | 参列者 |
---|---|---|---|
ご逝去~ご安置 | 病院から安置施設へ搬送 | 1~2時間 | 家族のみ |
納棺 | 故人を棺に納める | 30分 | 家族のみ |
出棺・火葬 | 火葬場で最後のお別れ | 2~3時間 | 家族・親族 |
収骨 | 遺骨を骨壺に収める | 30分 | 家族・親族 |
私の友人も、昨年お父様を直葬で見送りました。
「シンプルだけど、家族だけでゆっくりお別れできて良かった」と話していました。
お坊さんによる読経や引導といった宗教的な儀式は一切行われませんが、火葬炉の前で家族だけの静かな時間を過ごすことができます。
ただし、お別れの時間が限定的になってしまうのが唯一の難点かもしれません。
無宗教葬(お別れ会・偲ぶ会)
無宗教葬は、特定の宗教に依らない自由な形式で故人を偲ぶお別れの会です。
この形式では、お坊さんの代わりに司会者が進行を務めることが多い。
無宗教葬の特徴を表にまとめました。
要素 | 従来の葬儀 | 無宗教葬 |
---|---|---|
会場 | 葬儀会館・寺院 | ホテル・レストラン・自宅 |
進行 | 僧侶 | 司会者・遺族・友人 |
弔いの形 | 読経・焼香 | 献花・黙祷・音楽 |
内容 | 宗教的儀式 | 思い出の共有・スライド上映 |
服装 | 喪服 | 平服(ダークカラー推奨) |
実際に参加したことがありますが、故人の人柄や趣味が反映された温かい雰囲気でした。
故人の好きだった音楽が流れ、参列者が思い出を語り合う。
形式にとらわれない分、より個人的で心に残るお別れができると感じました。
基本的には、直葬で火葬を済ませてから、後日「お別れ会」を開催することが多いです。
企画から当日の進行まで、すべて遺族や友人が中心となって行います。
一日葬
一日葬は、通夜を行わず、告別式と火葬を一日で執り行う形式です。
お坊さんを呼ばない場合は、告別式も宗教色を排除した「お別れの儀」として行われます。
一日葬の構成を表で示してみましょう。
時間 | 内容 | 所要時間 | 宗教色 |
---|---|---|---|
午前 | 納棺の儀 | 30分 | なし |
午後 | 告別式(お別れの儀) | 1時間 | なし |
午後 | 出棺 | 30分 | なし |
夕方 | 火葬・収骨 | 2時間 | なし |
一日葬は、直葬よりはゆっくりお別れする時間がありながら、従来の二日間の葬儀よりは費用を抑えられる。
そのバランスの良さが多くの人に支持されています。
私の親戚も、「通夜は体力的にきつかったから、一日で済むのは助かった」と言っていました。
司会進行は葬儀社が担当することが多く、宗教的な制約を受けない分、内容を自由にアレンジできるのも魅力です。
共通しているのは、どの形式も「形式」よりも「故人を偲ぶ気持ち」を重視している点です。
葬式にお坊さんを呼ばない場合の周囲の反応は?
実際にお坊さんを呼ばない葬式を選んだ場合、周囲の反応はどうなのでしょうか。
私が見聞きした範囲では、反応はかなり分かれるというのが正直なところです。
主な反応パターンは以下の通りです。
- 理解・受容する反応
- 戸惑い・疑問の反応
- 批判・反対の反応
- トラブルに発展するケース
それぞれの反応について、具体的に見ていきましょう。
理解・受容する反応
最近では、無宗教葬やお坊さんを呼ばない葬儀も一般的になりつつあります。
特に都市部では、理解を示してくれる人が多い印象です。
理解・受容する人の特徴を表にまとめました。
属性 | 理解度 | 主な理由 |
---|---|---|
若い世代(20~40代) | 高い | 宗教観が希薄、多様性を認める |
都市部在住者 | 高い | 個人主義、形式にとらわれない |
友人・知人 | 中程度 | 遺族の負担を気遣う |
無宗教者 | 高い | 自分も同じ考えを持っている |
実際に、私の周りでも「経済的負担が軽減されて良かった」「故人らしいお別れだった」という肯定的な声を聞くことが多いですね。
特に、故人が生前に「宗教色なく見送ってほしい」と希望していた場合は、その意思を尊重する姿勢が評価されています。
葬儀社も、この流れに対応してスムーズに手続きを進めてくれるようになりました。
戸惑い・疑問の反応
一方で、従来の葬儀しか経験したことがない人からは、戸惑いの声も聞かれます。

お焼香はどうするの?、これで本当に故人は安らかに眠れるの?
といった疑問です。
これは批判というより、純粋な疑問や不安から来るものだと思います。
私の母も最初は

普通の葬式じゃないと、ご先祖様に申し訳ない
と言っていました。
でも、実際に無宗教葬に参列してみると、「心のこもったお別れができて良かった」と感想を変えていました。
批判・反対の反応
残念ながら、強い批判や反対の声もあります。
特に年配の方や、伝統を重んじる地域では、理解を得るのが難しい場合があります。
批判・反対の背景を表にまとめてみました。
批判の背景 | 具体的な声 | 対象年代 |
---|---|---|
宗教的な不安 | 「成仏できない」「かわいそう」 | 60代以上 |
世間体の問題 | 「非常識だ」「恥ずかしい」 | 50代以上 |
伝統の重視 | 「先祖代々のやり方」 | 地方・農村部 |
菩提寺との関係 | 「お寺に失礼」「納骨できない」 | 檀家の家庭 |
これらの批判は、長年培われた価値観に基づくものなので、簡単に解決できるものではありません。
ただし、事前に丁寧に説明し、理解を求める努力をすることで、摩擦を減らすことは可能です。
トラブルに発展するケース
最も注意が必要なのは、トラブルに発展してしまうケースです。
実際に起こりうるトラブルの例を挙げてみましょう。
トラブルの種類 | 具体例 | 対処法 |
---|---|---|
親族間の対立 | 「恥をかかせるな」と激怒 | 事前の話し合いが重要 |
菩提寺からの拒否 | 納骨を断られる | 事前に相談・確認 |
地域からの孤立 | 近所付き合いが悪化 | 説明と理解を求める |
後悔・罪悪感 | 「ちゃんとやれば良かった」 | 代替の供養方法を検討 |
私の知人の家庭でも、親族の一人が「きちんとした葬式をしないなんて」と強く反対し、家族会議が紛糾したことがありました。
結局、直葬を行った後に、改めて親族だけの小さなお別れ会を開催することで、なんとか納得してもらったそうです。
このようなトラブルを避けるためには、以下の点が重要です。
まず、生前の話し合いが最も大切。
故人が元気なうちに、葬儀に関する希望を家族や親族と共有しておくことが何より重要です。
次に、なぜお坊さんを呼ばない選択をするのか、その理由を具体的に説明することが必要です。
「経済的な理由」「故人の希望」「宗教観」など、納得できる理由があることを伝えましょう。
そして、菩提寺がある場合は、必ず事前に相談することが大切です。
お坊さんを呼ばない葬儀をしても、後から読経や戒名授与をお願いできる場合もあります。
最後に、代替となる「お別れの場」を設けることも効果的です。
お坊さんを呼ばなくても、故人を偲ぶ気持ちは変わらないということを、形で示すことが大切だと思います。
「葬式にお坊さんを呼ばない人が増えている理由は何ですか」のまとめ
今回は、葬式にお坊さんを呼ばない人が増えている理由について、詳しく見てきました。
この現象は、単なる流行ではなく、現代社会の価値観や生活様式の変化を反映した自然な流れだと感じています。
改めて、主なポイントをまとめると以下の通りです。
- お布施の高額さと不透明性が大きな負担となっている
- 宗教観の希薄化により、宗教儀式の必要性を感じない人が増加
- 寺院との関係性が希薄化し、お坊さんとの接点が減少
- 直葬や無宗教葬など、多様な葬儀形式が選択可能に
- 故人の意思を尊重する風潮の高まり
実際の葬儀の形も、従来の形式にとらわれない自由度の高いものが増えています。
ただし、周囲の反応は様々で、特に年配の方や伝統を重んじる地域では理解を得るのが難しい場合もあります。
だからこそ、事前の話し合いと丁寧な説明が何より大切だと思います。
葬式にお坊さんを呼ばない選択をする場合は、家族や親族の理解を得ながら、故人らしいお別れの形を見つけていくことが重要ですね。
時代は変わり、葬儀の形も多様化していますが、故人を偲ぶ気持ちや家族の絆は変わりません。
それぞれの家庭の事情や価値観に合った、納得のいく葬儀を選択することが一番大切なのではないでしょうか。
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